今回は、オゴポゴ以外の未確認生物情報とその命名権に関し考察しましたので報告します。
はじめに
IT革命と言われる程インターネットが進化し、我々の生活スタイルだけではなく、正に時代そのものが激しく変動していると言われる昨今、大切なことはいかに未来を読み、いかに一個人自身も時代に合わせ変化できるか、その順化能力にかかっていると言っても過言ではありません。洪水のように情報が溢れ続ける現代社会において、複数存在する名称の統一という現象もまた、時代が織り成す自然な変化の一流れであるのかもしれません。ご存知の方も多いと思いますが、登山業界においては昨今、北米大陸最高峰の呼び名が「マッキンリー」ではなく「デナリ」に正式統一されたことは記憶に新しいことと思います。この件に関してはオバマ大統領の元、先住民族が使っていたデナリの名称が優先された形を取りましたが、このような名称を巡る問題が未確認生物の世界でも起きる可能性は十分考えられます。
実はオゴポゴを指す先住民族の名称は「Naitaka(ナイタカ)」(それ以外にもありますが今回は省略) であり、オゴポゴという名はおそらく1970年代に定着したものと思われます。今ではオゴポゴで一応統一されていますが、今後の更なるオゴポゴ関連都市部の文化的発展、及び、万が一の発見などに伴う生物学的トラブル回避策として、先住民族を含む利害関係者とオゴポゴの名称統一に関する取り決めを文書化しておいた方がよいと考えます。
オゴポゴ以外のカナダの未確認生物に関して
当然のことながら、広大な土地を有するカナダにはオゴポゴ、サスカッチに限らず、他にもたくさんの未確認生物の情報が存在しています。ただし、上記二種以外は実際に足を運んだわけでもないため、今回はオゴポゴに関係していそうなオカナガン湖の周りに特化した情報を発信していきたいと思います。
現時点で、オカナガン湖の周りには3つの未確認生物情報が確認出来ています。
① オカナガン湖付近で一番の有名モンスター「シコポゴ」。
オカナガン湖の北にあるシュスワップ湖。ここにはシコポゴ、別名シュスワッギという名の未確認生物情報があります。
◆場所:Shuswap Lake(オカナガン湖より北に約60キロ)
◆目撃件数:確認できるもの1件。
◆目撃者数:目撃者2名、同グループ。
◆目撃情報要約:1984年6月、双眼鏡で目撃。蛇に似た動きで垂直にうねる7つの灰色がかった茶色のコブの目撃。推定の大きさは6m~7.6m。
② 現時点で名前がついていないカラマルカ湖の未確認生物「カラポゴ」(仮名)
オカナガン湖のすぐ東、カラマルカ湖にもオゴポゴに似た生物の目撃情報があります。
◆場所:Kalamalka Lake(オカナガン湖より東に約3~5キロ)
◆目撃情報件数:確認できるもの1件。
◆目撃者数:目撃者3名、同グループ。
◆目撃情報要約:1998年6月、岸から45m程離れた場所で、V字に水をかき分ける謎の物体を目撃。
③ 現時点で名前がついていないスカハ湖の未確認生物「スカポゴ」(仮名)
オカナガン湖の南、スカハ湖にもオゴポゴに似た生物の目撃情報があります。
◆場所:Skaha Lake(オカナガン湖より南に約5キロ)
◆目撃情報件数:確認できるもの1件。
◆目撃者数:目撃者2名、同グループ。
◆目撃情報要約:1993年4月に目撃。4~50羽のアヒルが急にいなくなったので何かと思うと湖のコブを目撃する。渦巻きを作るその生物は約7.5mで、黒くキリン似の首に小さい頭があった。
以上がオカナガン湖付近の未確認生物情報となります。便宜上、このブログでは上記の仮名「カラポゴ」「スカポゴ」を利用していきたいと思います。
未確認生物の名前の有無について
さて、紹介した上記3件の未確認生物情報ですが、残念なことにシコポゴ(別名シュスワッギ)以外はその生物自体の名前が確認出来ておりません。シコポゴに関しては、非常にマイナーではありつつもある程度の名前の確立は確認できていますが、他の二件は名前すらついていない状況のようです。というより、カナダ人も日本人もほとんど誰もそんな目撃情報があったことを知らないのでは、という気がしています。
では、未確認生物の名前がつくつかないかの差は一体何か。これに関しては当然今後の研究対象になりますが、今回はシコポゴとスカポゴ、カラポゴとの違いは一体何か、ということに置き換え、現時点で出来うる限り考察してみたいと思います。
現時点での分析で、主に考慮すべきキーワードは以下3点と考えます。
・信憑性
・独立性(オリジナリティ)
・人々の反応
◆信憑性
・目撃件数、目撃人数、目撃グループ数、目撃者のパーソナリティなど。
・客観的証拠の有無。
・昔ながらの伝説や言い伝えの有無。
ここで重要なことは、あくまで「目撃したという行為に対する信憑性」の有無であり、「生物が本当にいそうかどうかという常識的判断」ではないということです。あくまで目撃したという行為が本当かどうかを判断するために、その人物の職業や他に見た人がいないかの有無、目撃人数などの総数で裏付けしていく、という傾向にあると思われます。
客観的証拠(死骸や糞)はあるに越したことはありませんが、湖という立地の影響か、そのほとんどは準客観的証拠とでもいうべきあいまいな写真や動画のみとなっております。ちなみに余談ですが、陸上の未確認生物の場合、準客観的証拠の典型例は「謎の足跡」ということになるといえるでしょう。
また、その地元に伝説や伝承が以前から存在していたのかどうかも、話の信憑性に関わる重要なファクターと考えられます。
さて、今回の三件を分析してみると、共に目撃件数1、目撃者数2~3名、客観的証拠なし、と大差は無いように思われます。昔ながらの伝説の有無に関しては確認が取れていませんが、「シコポゴ」だけシュスワッギという別名があるため、どちらか(おそらくシュスワッギ)が先住民族の名称である可能性が高いと思います。同時に、その説が正しい場合、目撃証言は自動的に2件以上ということになります。
◆独立性(オリジナリティ)
・出現場所は独立した場所(ここでは湖)であるか。
・既に名称のついている未確認生物(ここではオゴポゴ)とは別の生物といえそうか。
独立性、オリジナリティも重要な要素となります。つまりは、既に存在しているオゴポゴとは別の生物の可能性であるかどうかということです。ただし、陸上の場合は、特徴などから同じ未確認生物と考えられていても、異なる目撃場所それぞれで名前がつき、複数の名称を持つというケースも確認が取れています。
今回は三件ともオゴポゴそっくりな水生生物という印象ですが、目撃場所ではそれぞれ異なっています。
シュスワップ湖は60キロ離れており、間違いなくオカナガン湖とは繋がっていないと思われます。スカハ湖は5キロ、カラマルカ湖も最短距離で2~3キロ離れているので、地下などで繋がっていない限り生物の移動は難しいと思われますが、絶対に繋がっていないとは断言しにくい距離ではあります。
ただし、最低2キロ以上離れ、それぞれ名称も異なる湖であるため、やはりそれぞれ独立した生物の目撃と考えるのが妥当だと考えます。
◆人々の反応
・目撃当時の反応、現在の反応、メディアへの露出度。
・当時の世論の熱狂度合い(未確認生物ブームの有無)
最後に考慮すべきは、目撃情報が出てきた当時、地元ではどのような反応になったか。当時の反応に応じて現在の反応があると思われるため、当時の目撃を通してどれほど地元が盛り上がったか、当然それにはその他の未確認生物のブームなども大きく影響していると思われます。目撃情報を順に並べると、シコポゴ84年、スカポゴ93年、カラポゴ98年。オゴポゴの目撃が増えたのが70年代~90年までが最盛期ということを考えると、時期的にオゴポゴのブームにうまく乗ることが出来たのはシコポゴであった、ということが出来ると思います。
結論として、少ない目撃情報の中で名前が付くかつかないかは、当時のブームに乗ることが出来たかどうか、そして、地元が盛り上げたかどうかにかかっている気がします。ちなみに、日本の未確認生物「ガタゴン」は、謎の足跡が一回見つかっただけの事件でしたが、見事に町おこしに起用され、今ではガタゴン祭りという地元の祭りにまで進化しています。学生時代、市役所の方の好意でガタゴン祭りに参加させて頂き、神輿を担がせて頂いたのは懐かしい思い出です。つまりは、地元のやる気次第で何でも出来るということなのだと思います。
シコポゴに名前がついているのなら他2件の目撃情報に関しても名前がついてもいい様な気がしますが、私の個人的な意見では、名前の有無より大切なことは、地元の人々が自分たちの文化や風土に理解を深めていけるような結果になっているかどうかいうことだと思います。
引き続き、その他の未確認生物の事例なども調べつつ研究を続けていくつもりです。それにしても、自転車旅行中に未確認生物の名称について考察したり、新しい名を仮でつけたりするとは思ってもみませんでした。
(更新日時2016年12月5日)
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