2017.04.05

4月5日 山村(五日目)~カイナグナン村での宿泊~

朝八時頃に起床し、朝食を食べつつ、昨日の夜には終わらせておいた出発準備の最終確認をします。

聞くところ、村長が今日の朝七時半頃に車で迎えに来ていたようで、

「九時出発(集合)予定だったけど、準備が出来ているなら今いこう」

と言っていたようなのですが、私も含めまだ皆寝ていたためそれは無理でした。

そんなことがあったという話を聞きながら朝食を終え、約束の時間から待つこと40分、九時四十分頃に村長が来ます。

ちなみに、Z氏は一応本日九時に仕事場に出勤予定だったのですが

「別に職場の皆も、時間通りに来ないので大丈夫ですよ」

とのことで、待っていてくれました。

このパプアニューギニアの時間間隔に五日間もいてまだ適応できていない私は、なんて能力が低いのだろうと落ち込みました。

 

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さて、迎えに来た村長より、さっそくこの旅のガイド、英語とバイニン語が話せる通訳、デイビッド氏が紹介されます。

正直、英語の訛り強めにあるので、私の得意技「パードゥン」が連呼されそうですが、とりあえず簡単に挨拶をすませます。

Z氏が最後の通訳として、目的地の村まで行く片道バス代が30キナという話までまとめてもらい、ついに出発。ここからは強制的に、私を中心に全てが英語での交渉となるため否応なく気が引き締まります。

 

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村にむかう自動車は8人乗りくらいのワゴン車ですが、我々隊員二人は助手席に座り、主に運転手と会話、今回の旅の趣旨について話をしました。ただし、運転手が薬物中毒なのかな、というくらい常にハイテンションで、急に窓の外に向かって叫んだりとかして怖かったです。

ちなみに、村長曰く、我々が探そうとしている犬の名前は「ムルッ」とかいう名がついている様なのですが、その運転手に聞いたところ「ムルッなら知っている、この辺で見たこともあるし食べたこともある」とか言い出し、身体的特徴が以下のような感じだと言います。

・くちばしや羽がある

・かぎ爪状の足で二足歩行

・風貌はチキンに似ている

・色はカラフル

・羽はあるけど実際は飛べない・・・など。

 

我々調査隊としては「チキンに似ているって言っているし、それは探している犬ではなく何かの鳥だよね」という結論になりました。

後々よく聞くと、説明してくれていたのはカサバリという名のヒクイドリのことで、発音的に「ムルッ⤵」、我々が探している犬は「ムルッ↗」、何回か発音してもらいましたが、かなり際どい発音が異なるだけということが判明し、正直何でそんなに名称が似ているんだろうと思いました。

とりあえず、名称が似すぎていて、この名称を使っていくと毎回同じ内容で混乱必死のため、件の犬の別名だという「ワイルドドック」で統一することにしました。

一応ヒクイドリ(ムルッ)を鑑賞することが出来るとのことなので、入場料全員で10キナとかを払い見せてもらいます。

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こんな感じでした。

 

なんだかんだ、車で走ること2時間強、ようやくカイナグナンの村に到着します。

到着してそうそう、ガイドのデイビットが我々に悲しい顔をしてこう告げます。

「ソーリー、トータルマネー150キナ」

 

150キナ!!!

片道30キナ➝150キナ=BOTTAKURI。

正直、狭い公共用バスでしたら片道一人5キナなのですが、ドライバーと専用車を借りるので全部で30キナになった、というのがスタート時のZ氏の通訳でしたが、まさかの5倍増しが来ました。

一応、申し訳なさげについた5倍になった理由が「ヒクイドリを見るために寄り道した分のガソリン代」とのことでした。ヒクイドリを見るために寄った場所は、二時間のうちの多分10分増しくらいの道中だったのですが、とりあえず論理的に正しいと思うことにしました。

しぶしぶ私が渡した150キナをガイドが運転手にその場で渡すと、「え、ラッキー!」という感じになり、喜びを奇声にして表します。

えーと、なんなの?

 

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※余談ですが、後日Z氏にこの件を話すと、他部族と思われる運転手が交通費を盛って請求し、バイニン族の村長&ガイド(と私たち)なら、言いくるめてお金を払うだろうと判断したのではないか、とのことでした。ちなみに、パプアニューギニアは民族間で非常に派閥があったりするのですが、今回お世話になったバイニン族は山の民族なので、街にいる民族からすると田舎者の様な扱いを受けたりするとのことでした。とりあえず、派閥とかよく分かりませんが実際被害にあったのは私たち・・・。

 

気を取り直し、せっかく村についたので体を休めつつ休憩をします。わらわらと村人たちが集まり、とりあえず他愛のない話をします。

 

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村の雰囲気。村全体の感じ。

 

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近くには野菜畑などもあります。

 

村は、全部で近くに家が10件くらいしかありませんでした。

 

家の一件を貸してもらい、借りた蚊帳などを設置します。

 

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これは何かというと、風呂場です。

村から歩いて5分の、川の下にあります。

ちなみに男女兼用なようで、村人たち(男)が「ホーホー」とか叫びながら近づき、今入浴中の女性がいないかどうか確認をします。そんなことより、珍しいからか村からついてきた子供たちや一部大人が、入浴中の我々をジロジロ凝視してくるのは、普通にやめてほしかったです。

 

明日は一日かけ、こちらの村に滞在します。予定では、ワイルドドックと言われる犬のハイブリッド(ワイルドドックと普通の野犬の子供)を観察しに行きます。

なんだかんだ、ついに始まった本格調査の第一日目でしたが、疲労がすごいのですぐ就寝しました。

 

(更新日時2017年5月9日)

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