2022年12月29日 (木)

剣山 ~雪山レポート~

うどん県、ベースキャンプ高松店です。

12月27日に、西日本第2標高を誇る...

徳島県の日本百名山の剣山(つるぎさん)に登りました。

お天気は快晴で、素晴らしい雪山登山を満喫しましたぁ。

Dsc01157

四国では雪山の入門レベルで、人気の剣山。

今年は特に年末年始にお出掛けされる方が多い様で、

装備品や雪山情報の収集・ご相談のご来店も目立ちます。

今回はそんな方の為に、雪山レポートをお届けしますね。enter

まずアクセス道ですが、高松から行きに貞光経由の

国道438号を、帰りは439号で祖谷経由で帰りました。

どちらも除雪作業が行われた直後の様で、路面に雪の氷化も無く、

うっすら雪が均等に均されて、スタッドレスタイヤでも

大丈夫そうに感じました。rvcar

かつてヘアピンカーブで何度も90度の急回転を経験しているので、

2WDですが、登りは雪道が現れ始めた葛篭集落手前で、下りは

名頃集落辺り迄、安全策を取り、タイヤチェーンを装着しました。

Dsc01008

高松から行きは約3時間掛かり、登山口の見ノ越へ。

気温は-5℃でしたが、いきなりの登りで汗をかくので、

ファイントラックのベースレイヤーにドライレイヤーを重ね、

ノースフェィスの長袖ハーフジップを3枚目に、マムートの

裏起毛のウインドシェルを4枚目にして、前ファスナーを開けてスタート。

冬用のアウターシェル(5枚目)は結局着ることは無かったです。

厚手よりも、むしろ薄~中厚手を脱いだり...着たりする方が良いかも。

下はパンツに極薄手のタイツを履き、ミレーの中厚のズボンの上に

雨具下を羽織り、最後までそれで問題は無かったです。

Dsc01009

昨冬はアイゼンの装着タイミングが遅かったので、

今回は剣神社横で早々と6本爪アイゼンを装着しました。

今ならチェーンアイゼンでも大丈夫です!

Dsc01018

まずは登山リフトの下を潜る...トラバース道へ。

雪質は少し固めで、アイゼンが効く感じ。

しっかりとトレースは付けられており、

雪崩の心配も無い様なので、夏道を進みました。

Dsc01020

見ノ越から標高差、約260m程度の登りで、

西島へ向かいます。意外と急登に感じる箇所も

出て来るので、無理せずにゆっくり登ることが肝心。

体温調節も早めにすることをお勧めします。

Dsc01023

樹林帯を抜けたら、前方に剣山本峰(右上)と

リフト駅舎(左上)が見えてきます。雪質はサラサラの

パウダー状態で、ひざ下位の積雪量でした。

Dsc01159

陽射しがまぶしくて、サングラスを掛けました。eyeglass

天気が荒れれば、ゴーグルが要りますね。

晴天時は「雪盲」になる可能性も有るので、

サングラスやゴーグルの装備が必須です!

Dsc01024

雪山の必需品のダブルストックには、雪山用のバスケットを

必ず装着してください。多くの方がピッケルをザックに

付けていましたが、ダブルストック派が多かったですね。

Dsc01029

リフト駅横には休憩所が有り、中に入れそうでした。

吹雪いたら、退避場所として非常にありがたい場所です。

ここからはトイレと駅舎の間を抜けて、更に上へ。

刀掛けノ松を経由する、尾根ルートを登るのが冬場はベストです。

Dsc01039

青空に真っ白な霧氷shineがとても美しいですsign01

この日はお昼を過ぎてもず~っと見れました。

Dsc01056

しっかりとトレースが付けられています。

木々も減り、少しずつ雪量も増えて来ました。

Dsc01057

尾根からの東側の素晴らしい展望が広がります。eye

Dsc01059

この尾根道も急な登りが幾つか有ります。

パウダー雪なので、足場の踏ん張りが効かず、

安定せずに滑ることもありました。sweat01

Dsc01066

木々にまとわり付く雪で、ミニモンスター化していませんか?

Dsc01069

霧氷から、エビのシッポ状態に...

Dsc01072

時折、雪を踏み抜いた跡が出てきました。

体重が有る方や重装備の方には辛い状態です。

今日もテント泊、縦走される方が大きなザックを

背負い、登っていました。

雪量は股下ぐらい迄に上昇up

Dsc01074

標高は1800mを越えて、頂上ヒュッテが見えてきました。

トレースの幅が狭まった来ましたが、吹き溜まりの雪量は

1m程に感じました。

Dsc01077

冬季休業中のヒュッテを右に抜けて、頂上部へ。

Dsc01080

ただっ広い剣山の山頂部です。

これが有名な「平家の馬場」と呼ばれる所。

山頂の標高は1955m。登山口からの

標高差は約555mです。気温は約-6℃でした。

Dsc01102

展望テラスから北西のパノラマ眺望sign03

雪化粧された四国の屋根が開けていました。

Dsc01097

眼下には丸笹山と赤帽子山の連なり。

Dsc01085

手前になだらかな山容の塔ノ丸。

スノーシューを買ったら、絶対歩きたいコースです(笑)

奥に連なるのは矢筈山を主峰とする祖谷山系の山々。

Dsc01103

遠くには人気の日本二百名山の三嶺。

そしてここ剣山から三嶺へとつながる縦走路の峰々。

Dsc01110

吊り尾根の向こうには白く輝く次郎笈。

Dsc01095

約100㌔先の彼方には、石鎚山系の山々も...

Dsc01126

「素晴らしい大展望~」

この天気なので、平日ながら登山者も多くて、

大体20名ぐらいの方に出会いました。

皆さんお天気と展望に、大感激されていました。(happy02good

稜線はさすがに寒く感じたので、風があれば絶対シェルを

羽織りたいですね。

当然次郎笈まで足を延ばしたい所でしたが、

今回は断念して下山。

Dsc01152

もし吹雪いたり、トレースが消失した場合は、

木に巻きつけられたピンクのテープを目印にして

辿ってください。必ず視界の範囲内に次のテープが

見える筈です。山頂では携帯電話も繋がりました。mobilephone

そしてトレースを一歩外れたら、今なら股下まで

しっかりと埋まる感じです。誰も歩いていない道を

歩く場合は わかん が 必需ですsign03

Dsc01153

下りは登りで見えなかった方向での展望が愉しめます。

足を置くポイントも気にせずに、少し滑り気味に降りられ

ますので、時短も十分可能。

Dsc01163_2

この時期としてはナカナカ姿を見せない、鹿を

間近で見ることも出来ました。かすかに残っている

笹の葉を食べていました。

Dsc01157_2

写真撮影をゆっくりと興じながら、約3時間30分の

山行行程になりましたが、特に問題個所は無かったです。

ただ幾つかの分岐が有り、その選択如何ではとんでもない

状況になることも予想されますので、最初は経験者の方との

同行をお勧め致します。

また元旦のご来光登山の場合は極寒時での防寒対策は

しっかりとお願いします!fuji

神経の末端を温める...グローブ、ネックゲイター、

イヤーウオーマーやニット帽、厚手の靴下。

雪道に欠かせないゲイターも。

しっかり装備のご準備と、しっかりとしたプランニング。

十分な体調管理で、どうぞ安全な山旅を心掛けください。

ベースキャンプ高松店スタッフ