西日本最高峰、愛媛の石鎚山。
ピークは3つあり、弥山(1974m)、南尖峰(1982m),天狗岳(1982m)の総体を石鎚山と呼びます。
今回は、天狗岳の北面の断崖、通称・石鎚山北壁をクライミングで登ってきました。
赤矢印のところですね。
登山をされている方にとっては有名な山ですが、クライミングとなると馴染みがないと思います。
石鎚山北壁は、その基部から高差80mに及ぶ部分的にオーバーハングした岩壁です。
落ちた時に備えてロープを使い、登る人(クライマー)と下で確保する人(ビレイヤー)に役割分担しながら登っていきますので、通常一人では登れません。
ずっと登ってみたかったのですが、パートナーがおらずなかなか機会がなかったところで、関西から同僚のクライマー仲間2人が高知に遊びに来てくれることになり、実現しました。
好日山荘最強のクライマーと言っていいパートナーに恵まれ、いざ石鎚へ。
出発前に登攀具の整理。これでも整理したつもり(笑)。
最初は土小屋駐車場から一般登山道を歩きます。
天気はばっちり。木漏れ日が気持ちいい。
行きは体力に余裕があるので二ノ鎖は巻かず。
クライミングのアップにちょうどいい。
三ノ鎖小屋に着きました。
あれだけ晴れていたのにガスが!
しかし登るモチベーションは上がりっぱなし。
三ノ鎖でさらにアップ。
これをここまで担ぎ上げた人、マジですか?20kgくらいあるんですけど・・・。
三ノ鎖小屋から北壁基部をトラバースしていくと、全容が見えてきました。
ガスっていると神秘的でかっこいい。
登りますか。
楽しみすぎて笑っちゃいます。
視界が悪いけど最初は傾斜が垂直以下なので快適。
中盤から凹角に入り込み、バランスを取るのに気をつかうようになってきます。
北壁は一息では登れないので2つのパートに区切って登ります。その一区切りのことを「ピッチ」といいます。
写真は1ピッチ目の終了点。ガスって展望がないので少しテンションが下がってますね(笑)。
ところで、よく聞かれるのですが、ロープを使うのはいいけど、途中で墜落した時は何で止まるのか?という質問。
実は、誰かが登ったことがあるルートであれば、写真の赤矢印のような埋め込みアンカーが設置してあることがあります。
これに、カラビナを介して順々にロープを掛けていき中間支点として安全確保を図ります。
落ちると、最後にかけたカラビナの所で止まるという形ですね。
スタイルにもよりますが、あくまでも自分の力だけで登りきる「フリークライミング」であれば、このアンカーを手で持ったり足で踏んだりロープを持ったりはしません。
もちろん上から引っ張ってもらうことも×。
要は一種の縛りを自分たちに課して登るので、よく勘違いされがちな「フリー」という言葉は、この場合「自由な」という意味ではなく、「何ものにも頼らずに」というような意味になります。
簡単に登れたのでは楽しさも半減しますからね。
さて、クライミングに戻ります。
2ピッチ目、ここからが本番。
難易度が急激に上がり、手で持つところも足で踏むところもかなり細かく、幅の狭まった凹角の中で窮屈なクライミングを強いられます。
写真のオーバーハングは、手を差し入れたところがびちょびちょに濡れていて一番嫌なところでした。
先頭を切る圡方さん、苦労しながらもなんとかハングを抜けました。
後続に回った私もなんとか落ちず。
上部は体が回転しそうになるのをこらえながら慎重に登る。
もうすぐゴール。
つまり頂上!
このルートの魅力は何と言っても登りきったら天狗岳の頂上に出るというところ。
最高!
ガスでなにも見えませんでしたが、楽しかった~。
登ったからには降りなければ。
懸垂下降2回で取りつきまで戻ります。
お疲れさまです・・・。
降りてきたらこんなプレートが。
登る前に見なくて良かった・・・?
久しぶりにロープを結んでクライミングできて楽しすぎました。
登山もクライミングも楽しめる石鎚山、みなさんもぜひ登ってみてください。
弥山までなら一般登山道はそこまでハードではありません。
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《おまけ》
翌日は海でまったりボルダリング。
海もいいなぁ(笑)。
高知大丸店 戸田
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