2019年1月11日 (金)

川あり、苔あり、滝あり /川苔山

立川店スタッフのオススメの山。

東京、奥多摩の「川苔山(かわのりやま)」をご紹介します。Photo_2

今の季節だと登山道の雪が凍っているので、

夏山装備 + 軽アイゼン or チェーンアイゼン

があれば十分楽しめます。

もっと雪が積もった後だと、膝くらいまで積もるので、

雪山のルートファインディングやワカンを付けた軽いラッセルの練習にはちょうどいいです。

 

10

 

①おすすめルート

②見どころ紹介

③注意ポイント

④アクセス

の順ですすめていきます。

 


 

①おすすめルート

川苔山は奥多摩の各駅(川井、古里、鳩ノ巣、奥多摩)からアクセスが可能。

公共交通機関のみで駅から山へ。山から駅へルートがとれる。

今回は起伏に富んだ超メジャールート、「百尋ノ滝経由川苔山」をご紹介。

Img_2881 

「川乗橋バス停」 ⇒(約45分)⇒ 「細倉橋」 ⇒(約45分)⇒ 「百尋ノ滝」

⇒(約45分)⇒ 「足毛岩ノ分岐」 ⇒(約60分)⇒  「川苔山山頂」

⇒(約25分)⇒ 「舟井戸」 ⇒(約90分)⇒ 「大根ノ山ノ神」 ⇒(約30分)⇒ 「鳩ノ巣駅」

総時間:約5時間40分、総距離:約12.5km

*時間、距離は「山と高原地図2018」を参考

 

 

奥多摩からバスで約15分の「川乗橋バス停」へ。川苔山登山口の木の看板がある。

川乗林道をしばらく歩くと、トイレとベンチがある「細倉橋」がある。ここから本格的な登山道がはじまる。

2  

沢沿いの切り立った崖や細道のトラバースがあるので注意。

しばらくいくと、今回のルートの最大の見所「百尋ノ滝」がある。

豪快な滝が観賞できる。夏は涼しい滝が、冬には凍った滝が間近で見れる。

3  

4  

 

山と渓谷社「詳しい地図で歩く!奥多摩・高尾384km」を読むと・・・

【「尋」とは大人が両手を広げた長さ六尺(約1.8m)とされる。だいぶ誇張されているが、百尋と呼ばれたのも

うなずける】

 

百尋ノ滝からは色々な道が交錯しているので、こまめに読図をしながらルートの確認が必要。

5_2  

足毛岩ノ分岐を進み、広い防火帯を越え急登をひとふんばりすると「川苔山山頂」

雲取山や天気が良ければ富士山が望める。

6  

7

下山は先に稜線に出た地点まで戻り、南に下る。

時間があれば、「舟井戸」から大ダワ・本仁田山方面へ行き、奥多摩駅へ行っても楽しめる。

8  

今回のルートでは「舟井戸」を鳩ノ巣方面へ真っ直ぐ下る。

樹林帯を抜けると「大根ノ山ノ神」の祠にいたる。

あとは集落を抜け、踏切を渡れば「鳩ノ巣駅」に下る。

9  


 

②見どころ紹介

■ハイライトはなんといっても百尋ノ滝!

落差30-40mの優美な滝です。

階段を下り、滝つぼ近くから見上げる滝は圧巻です。

Img_20181027_144726 百尋ノ滝(10月)

 

■山頂からの展望

ガイドブックによっては、西側の展望のみとかいてあるところもあるが、ほぼ全方位楽しめます。

富士山や雲取山、奥多摩三山、長沢背稜、特に冬の季節ははっきり見えます。

Img_20181027_125015川苔山山頂付近(10月)

 

■変化に富んだコース

沢沿い歩き、樹林帯のトラバース、尾根歩き。

距離はやや長いですが、間違いなく楽しめます。

P1130360百尋ノ滝付近の沢沿い(5月)

  


 

③注意ポイント

百尋ノ滝付近の急峻な地形は、トラバースや細い道が多いので転落に注意です。

冬は凍結箇所が多いので、軽アイゼンやチェーンアイゼン必携です。

また、トレッキングポールがあればバランスが取りやすいので、足腰に自信のない方はあった方がいいでしょう。

Img_20181027_104215

大ダワ周辺(10月)

 


 

④アクセス

起点となる川乗橋バス停までは、奥多摩駅からバスで向かいます

川乗橋バス停は駐車場もありませんし、駐車スペースもありません。

車で行く方は、鳩ノ巣駅付近の観光客用の無料駐車場に停めて、電車+バスで行きましょう。

11

 


  

最後に・・・

冬の低山は楽しいです。夏と違い少し寒いですが、汗をかかない分爽やかに歩けます。

また、空気が澄み、葉が落ち、遠くの景色も見やすくなります。

夏の登山道と違い、冬は雪が降ると登山道が埋もれて分からなくなります。

根っこが生えてたり、歩幅の合わない階段があったり歩きにくい登山道が、雪に埋もれてフラットになります。

なので、好きに歩けます。どこでも歩けます。

でも、自分で選択して歩くということは、ある程度のリスクがあります。

「危険な個所がないか、地形をよく見て歩きやすい所を選ぶ。」

ということがそのリスクを回避する第一歩となります。

道標が埋もれて、現在地が分かりにくくなります。

なので、地図をこまめにチェックしましょう。

きちんと現在地があっているかどうか、地図読みの第一歩です。

 

冬山は成長させてくれます。

そして、次の夏山がもっと楽しく歩けるでしょう。

12 

 

出典元

山と渓谷社 「新・分県登山ガイド12 東京都の山」 東京都山岳連盟

山と渓谷社 「詳しい地図で歩く!奥多摩・高尾384km」 佐々木亨

昭文社 「山と高原地図2018年版 奥多摩」 西川敏明