オピネル 「ステンレススチール #8」が入荷しました。(上写真の左から2本目)
これで現在お店の在庫は、
ステンレススチールの、#6、#8、
ラウンドティップ(刃先が丸い)の#7、ハンドル部材がウォールナットとオリーブウッドの#9
になりました。
オピネルは1890年代フランス発祥の老舗ナイフメーカーで、現在でも「Made in France」にこだわり職人の手で一本一本作られています。魚の胴体のような流線型のフォルムが美しく、実に良く手に馴染みます。なんでもロンドンの美術館で「世界の美品100特選」に選ばれたとか。近年ではキッチンナイフやプラスチックハンドルのアウトドアナイフも展開されていますが、オピネルの代名詞ともいえるのがニス塗りされたブナ材のフォールディングモデルです。
オピネルは日本でいうところの「肥後守(ひごのかみ)」。生活に根差したナイフで、かのパブロ・ピカソも愛用したという逸話があります。小学生のころ肥後守で鉛筆を削って刃物の使い方を学んだ方も多いかと思いますが、ピカソもオピネルで鉛筆を削ったり一部の彫刻にも使っていたようです。
定番モデルでもブレード(刃)材質が「カーボンスチール(炭素鋼)」と「ステンレススチール」と2種類あります。特徴としてはカーボンが「刃が減りやすく研ぎやすい(柔らかい)・錆びやすい」、ステンレスは「刃が減りにくく研ぎにくい(硬い)・錆びにくい」といった具合で、フィールドで扱いやすいステンレスブレードのほうを立川店では現在扱っております。
刃を出した状態でも閉じた状態でもロックできるセーフティ「ビロブロック」機構もオピネルの特徴の一つ。肥後守と比べると刃が薄く、野菜の皮を剥いたり木の皮を削いだり細かい作業に適しています。
近年では山の食事もインスタント化が進んでいますが、一昔前の山岳部・ワンゲルでは山で本格的な料理をすることが今よりも一般的でした。ジャガイモやニンジンの皮を剥いて、ペミカン(肉のラード漬け)した肉と煮込んでカレーにしたり、歩荷トレーニングの登山では「隠し玉」として大きなスイカやパイナップルを持って行って皆に切り分けたり。箸を忘れてそのへんに落ちていた枝を削って代用した事もありました。オピネルは山の生活でさりげなく傍らにあるアイテムでした。
サイズ展開が#6~#12まであり、それぞれ刃長とハンドルの太さ長さが異なります。
アウトドア用途で一番人気なのが#8(ブレード:85mm/重量46g)で、手が小さい人や小型軽量を優先する場合は小さ目、手が大きい人や積極的に使っていく感じであれば大きめがオススメです。
通常モデルはハンドル部材がブナ材ですが、ウォールナットやオーリーブウッドの#9も現在在庫しております。こちらはハンドルに刻印が無く、木目の美しさを堪能できる仕様です。
ウォールナットは真っ直ぐ整った木目で、温度や湿度による変形が少なく耐衝撃性に優れることから家具やライフルの銃床(ストック)にも使われています。経年により色に明るみが出るのも特徴で、世界三大銘木の一つに数えられますが生育に時間がかかるため希少で、近年は高騰気味です。
オリーブウッドは緻密で硬質な木材で天然の抗菌作用もあり、ヨーロッパでは古くから家具や食器に使われてきました。マーブル模様の木目が美しく、自然の油分を含んだ光沢感相まって高級感があります。
オピネルはアウトドアアイテムの中ではそこまで高価ではありませんが工芸品としての佇まいがあり、実用性だけでなく所有欲を満たしてくれるところがあります。山ヤの懐刀として、一本いかがでしょうか。