こんにちは!
GR岸和田スタッフ浜川です。
岐阜県高山市、錫杖岳にてマルチピッチクライミングをしてきました。
挑むは“La Campanella”(5.13b R)
僕自身未到達のグレード。しかもR付…
気を引き締めて参ります!
今回バディを組んでいただいたのは伊那住のjoe氏。
山もクライミングも出来る頼れる方です。
アプローチは槍見温泉脇の登山口からクリヤ谷経由で向かいます。
普段とは違う重量のザックを背負っての登山は、それだけで疲弊します。
ヒーヒー言いながら渡渉を何度かこなすと、目的の錫杖岳が見えてきます。
まだ行程は有るものの、疲れを一瞬忘れられるのは僕だけでは無いはず。
さらに進むと左にガレ場に下る分岐が有り、そこが錫杖岳前衛フェースに取り付きに繋がっていますが、今回は少し進んでクリヤ谷岩舎で幕営することになりました。
ここまで約90分。
疲労困憊ですが、幕営しながら少し休んでクライミングの準備にかかります。
クリヤ谷岩舎から直接前衛フェースに向かえるらしいのですが、分りにくいらしいので大人しく分岐まで戻って向かうことに。
30分ほどで取りつきに到着。
さぁ、始まります!
1P目 5.10a 55m(joe氏リード)
常に濡れているアルパインチックなピッチ。
要所で気の抜けない箇所がありちょっと怖い。
そして長い。
2P目 5.9 30m(浜リード)
いつか剝がれると言われているフレーク(通称発射台)を経てスラブを上がる。
強度は無いけどプロテクションを決められる場所が少なく、ちょっと緊張します。
箱型ハング右、小テラスで区切る。
3P目 5.11a 20m(joe氏リード)
凹角部から這い出てクラックを辿り、途中左にトラバースしてコーナークラックへ…
行くつもりでしたがトラバースポイントがわからずそのまま直上。
立木でピッチを区切り、フィックスロープを使い、ユマールで核心ピッチに向かうことに。
4P目 5.13b 30m(浜リード)
前衛フェースでひときわ目立つ“白壁”を登る、このルートのハイライト。
離陸から難しいムーブが連続して、中間部から上、傾斜が緩まるまでは一切気が抜けない。
一応オンサイトを狙いましたがあえなく撃沈。
ムーブ確認しつつ何とかトップアウト。
翌日の事も考え、その日は2トライに留め、岩舎に戻りました。
ちなみに晩御飯はjoe氏の鍋をごちそうになることに。めちゃくちゃ美味かったです!
ふつかめ
前日の疲れは残りつつも睡眠時間は十分!
天気も良く爽やかな目覚めでした。
昨日の鍋の残りをいただきつつ、今日の作戦会議。
手早く準備を済ませ、アプローチ開始!
取り付きには先客。“深夜特急”をトライするとのこと。
こちらも良いルートです。
少し順番待ちをして1P、2Pと登り、3P目は体力温存のため再びユマール。
昨日より少し早めの時間に4P目始点に到着。
少し陰っていて風があり、身体も程よく温まっていて良い感じ。
問題は昨日出したムーブを再現、改善出来るかどうか…
ルートはちょっと悪めのカチから始まります。
左上しつつカンテ部をのっこして1ピン目。ナチプロを決めた後、少し難しいフェイスムーブを経てカンテに出るあたりが僕の核心。
高度と露出間、恐怖に耐えながら第一核心突破!
一手も油断出来ないカンテを上がって行き、ダメ押しのマントルを返しが最大核心。
吠えて恐怖心を押し殺し、最大核心も突破!
レストを交えながらナッツを決め(核心は越えてますがコレがまた怖い…)、アンカーポイントまで。
「ビレイ解除お願いします!」
痛みを感じるほどの両腕のパンプ。それもどうでも良くなるぐらいの高揚感、達成感。
最高の気分でした。
続く5P目もしたかったのですが、天気の憂いと時間の都合で諦め、下ることに。
Joe氏とお互いの健闘を称え、懸垂して取り付きまで。
クライミングを終えた所で小雨が降り始め、判断は正しかったと再確認して帰路に着きました。
錫杖を訪れた時から憧れていたルート、La Campanella。
完全な形とは言えませんが、登る事が出来て非常にうれしいです。
マルチピッチの師匠Mさん。
錫杖岳の大自然。
そして何より、こんな無茶な計画に付き合ってくれたjoe氏。
感謝御礼申し上げます。
ありがとうございました!
クライミング最高!
完
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