2023年9月23日 (土)

続・スタッフの休日⑪ 錫杖岳マルチピッチ・前編“深夜特急”

クライミング日程 2023/9/12~9/13

メンバー GR岸和田スタッフ濱川、友人N氏

 

こんにちは!

GR岸和田スタッフの浜川です。

9月上旬。お休みをいただいて、友人でマルチピッチの先輩にあたるN氏とクライミングをしてきました。

行く先は岐阜県高山市、“錫杖岳 前衛フェース”

久しぶりの登山&マルチピッチという事で、不安と期待半々で向かいます。

 

前衛フェースへのアプローチ入口はクリヤ谷登山道になります。

そこそこの急登から始まり、ちょっとしたガレ場や渡渉。ヤブを漕ぎながら進みます。

Dsc_7135一泊装備ともなるとそれなり

1時間ほど登山道を進むと錫杖岳、エボシ岩が顔を覗かせます。

Dsc_7141

さらに半時間程進むと前衛フェース取り付きまでの分岐に差し掛かり、そこから

枯れ沢をひたすら上がって行きます。

いい加減に疲れた頃に、野営目的地の岩舎に到着。ここまで2時間半ほど。

普段クライミング以外しない私にはかなり堪えます…

岩舎は2人用テントが2張りギリギリ納まる程度。平日だったので運よく貸切でした。

到着して一服したいところですが、本番はこの後。

迅速に幕営を済ませ、ギアを整理して取り付きまで向かいます。

Dsc_7146シャツの濡れ具合から暑さを察してください…

岩舎から更に登る事20分弱。ついに岩壁が目の前に現れました!

圧倒的なスケール。見上げて思わずため息が漏れます。

Dsc_7208

今回は2日間予定で、1日1ルートの完登を目指します。

初日に挑むルートは

“深夜特急”(5.11d)

さてクライミング開始!気合入れて行きます!

 

1P目・トポ上の1.2Pをリンク(5.8) N氏リード OS

Dsc_7151

まずは相方のN氏が先陣を。絶妙な幅のクラックにサクサクプロテクションを決めながらすいすい上がって行きます。

60mロープの終わりが近くなった頃に「ビレイ解除!」のコール。

 

2P目(5.8) 濱川リード OS

1694668758299このミサイルを発射させるのは誰だ…?

通称“ミサイル”と呼ばれる半分浮いている岩を乗り越えるのがスリリングで楽しい!?

ビレイ点手前の箱型ハングが威圧感タップリ。N氏ももちろん難なくクリア。

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3P目(5.11a) N氏リード OS

Dsc_7168

いよいよ“深夜特急”オリジナルピッチ1P目。

リードは相方のN氏。プロテクションはナチュラルプロテクションのみ。

コーナー部に走るフィンガーサイズのクラックから始まり、少しずつ狭まって行きます。

上はスラブ状になっており、未知数。

N氏、離陸直後こそ少し迷っていましたが、フットホールドハンドホールドを的確に見つけ、コーナーをすぐに突破。スルスルロープが伸びて行き、上部樹林帯がガサガサ揺れたと思ったらテンションコール。

フォローでのクライミングだったので正確なグレードは計れませんが、体感5.10cぐらいでしょうか。かなり優しく感じました。

 

4P目(5.11d) 濱川リード OS

1694668772985ステミングでレストする私

“深夜特急”2P目。1日目のハイライトです。

コーナー部に20mほど続くクラック。その後は斜度が緩くなるようで、テラスからは確認できず。

極細から始まり、見える範囲でハンドサイズぐらいまで徐々に広がる印象。美しさに思わず見惚れます。

心を落ち着かせ、ギアを吟味し、いざオンサイトトライ!

下部数mはナッツ以下のプロテクションしか受け付けず、落ちれないクライミングになります。

フィンガーサイズに入ってからはカムでのプロテクションが取れるので少し息を整え、更に高度を上げていきます。

大きな核心こそ無いものの、ナチプロでジャミング、フェイスムーブの入り混じったクライミングは独特の緊張感があり、非常にパンプしました。

最大傾斜を越えると後はスラブ。(のっこしが少しスリリング)5.7ほどのクライミングをこなしてフィニッシュです。

続いて相方もここのピッチはリードトライ。僕と同じように悶えながらも見事フラッシュ!

Dsc_7176ステミングでレストするN氏

フォローで三角テラスまで上がり、お互いの健勝を讃えあいました。

 

5P目(5.10c) 濱川リード

以前錫杖に訪れた時にトライした“Little Wing”で経験したピッチ。

前回はボルトを交えながら登りましたが今回オールナチプロでトライ。

2人とも難なくクリア。

Dsc_7178

 

残り1Pは頂上に抜ける為の藪漕ぎ登攀。少し雨もパラついてきたので、ここでこの日のクライミングを終了しました。

 

全ピッチOS!

核心ピッチは2人とも1撃という、この上ない形でのチームオンサイトを果たしました。

・使用ギアはカム(キャメロット#0.3~2×2セット、#0.2、3×1セット)、ナッツ、スリング、クイックドロー数本。

Dsc_7173画像は核心ピッチの使用ギア

 

帰りは同ルートからの懸垂。落石に注意しながら慎重に下ります。

今回初めてエーデルリッドの[アラミド コード スリング]をフリクションコードで使用しました。

素材自体が少しコシあるので、雑に巻くと効きが甘いですが、キッチリ巻くと形も崩れにくく使いやすかったです。30cmスリングの場合、プルージックノットが良かったです。

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Dsc_7182


 

なれない懸垂に手間取りながらも取り付きまで下降。

ようやく踏んだ地面に安堵。

幕営地まで戻り、相方と初日のクライミングの成功を喜び、握手を交わしました。

 

翌日もクライミングなのでささやかな食事を済ませ早めの就寝…と思いきや、

N氏持参の惣菜で小宴会が。(コンビニでやたら買い込んでるなぁとは思っていました…)

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心もお腹も満たされて就寝しました。

Dsc_7192山で食べるウインナーは最高だぜ!

明日も良いクライミングが出来ますように!

 

ありがとうございました。

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